家族が要介護状態となり会社を一定期間休業する労働者には国から生活保障を受けられる場合があります。その生活保障のことを介護休業給付金と言います。
全ての労働者が当然に受けられるわけではなく、条件を満たさないと受けることが出来ません。
この記事では介護休業給付金を受けるための条件と手続きの流れを確認することが出来ます。
介護休業給付金を受けるためには
介護休業給付金を受けるためには以下の2つの基準を満たす必要があります。
- 労働者
- 支給対象となる家族の範囲
それぞれ確認しましょう。
労働者について
介護休業給付金の支給対象となる労働者は雇用保険に加入している者(被保険者)です。
その労働者が介護休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数(原則、日給者は各月の出勤日数、月給者は各月の暦日数)が11日以上ある完全月が12か月以上あれば支給対象者になり得ます。
対象になるかは精査する必要がありますが、おおまかに言うと2年間のうち1年以上は長期的な休みもなく働いていれば対象労働者といえるでしょう。
パートタイマーは有期雇用も対象者?
介護休業が取得出来る労働者は正社員のイメージがあるかもしれません。実際は雇用保険に加入してれば正社員以外も介護休業給付金の支給対象者となり得ます。
ただし契約期間に定めのある有期雇用労働者は次の①及び②の両方の条件を満たさなければなりません。
①同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
②介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6か月を経過する日までに労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでないこと
これらの意味するところは、介護休業給付金の目的が分かれば解決出来ます。
介護休業給付金は家族が要介護状態となって労働者が就業を継続することが困難となることを救うための制度です。つまり、今まで1年以上働いてきた労働者が会社を辞めない前提で支給されます。
介護休業給付金の支給を受けて半年以内に辞めることが既に確定している方は対象外にする。ということが明記されているわけです。
支給対象となる家族の範囲
次に家族の範囲について確認しましょう。
確認することは次の2点です。
①家族との続柄
②家族の要介護状態
一つずつ確認しましょう。
家族との続柄
①は労働者から見て介護の対象となる家族とはどういう続き柄なのか。これが重要になります。
対象は次の通りです。
- 配偶者(事実婚含む)
- 父母(養父母含む)
- 子(養子含む)
- 配偶者の父母(義父母を含む)
- 祖父母
- 兄弟姉妹
- 孫
以上です。
聞き覚えのある続柄で言えば、従兄弟や大祖父母は対象外ということになります。
家族の要介護状態
家族が要介護状態であることが必要です。
要介護状態とは次のように定められています。
負傷、疾病又は身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護
(歩行、排泄、食事等の日常生活に必要な便宜を供与すること)を必要とする状態
以上です。
介護保険法でいうところの要介護度2以上です。
①と②の両方の条件が当てはまる介護休業給付金の支給対象となる家族のことを対象家族と言います。
介護休業給付金の制度について
介護休業給付金の対象者の次は具体的な制度概要について確認しましょう。
次の3つについてまとめます。
・介護休業期間について
・介護休業給付金の額
・手続きの流れ
介護休業期間について
介護休業期間は同一の対象家族につき最大で93日までです。
また分割して申請することは可能ですが最大でも3回までとなっております。
これは93日分、一気に休業することも可能ですし31日分を3回に分けて申請することも可能です。
93日分取得後又は3回受けたら、その後は同一の対象家族については介護休業給付金は取得することは出来なくなります。
介護休業給付金の額について
介護休業給付金は次のように定められています。
支給金額=休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
説明します。
休業開始時賃金日額とは、休業を開始する6ヶ月前の給料を合算し、その額を180で割った額を言います。
簡単に言うと半年間の平均日給額です。
この金額の67%が介護休業をした日数分(最大93日)支給されることになります。
注意点!
介護休業をした日を判断するのは1ヶ月ごとの区切りで判断されます。
この1ヶ月の区切りの中で全く働いていはいけないわけではありませんが、働きすぎると支給金が減らされるか不支給になる場合があります。
不支給になる場合を確認しましょう。
①介護休業期間中の1か月ごとに、休業開始前の1か月当たりの賃金の8割以上の賃金を受けること
②就業している日数が各支給単位期間(1か月ごとの期間)、10日を超える場合。
①か②のどちらかに該当すれば介護休業給付金は不支給です。
つまり休業せず普通に就業しているのと大差がないと判断されれば、支給しないということでしょうか。
手続きの流れ
介護休業給付金の支給までの流れを確認しましょう。
まずは従業員が会社に介護休業をしたい旨を申立書を提出し。様式は任意です。
厚生労働省の記載例はこちらからご確認ください。
ポイントはいつから休業を取得したいのか、どれくらいの期間連続して取得したいのかが確認出来ることです。
介護休業を開始したい1ヶ月~2週間前には申出を受けたい旨を周知すすことが望ましいでしょう。
その申出書を受け取った企業側は従業員の意向を汲み取った上で、介護休業の取扱決定通知書を従業員に交付します。
申立てた内容に対し、いついつから何日間の介護休業を認める旨を労働者に伝えるための書類です。こちらも任意様式です。
厚生労働省の記載例はこちらからご確認ください。
その後、取扱決定通知書通りに休業させます。
その休業期間中又は開始前に、企業側は管轄のハローワークにて手続きをします。
ここでする具体的な手続きは、介護休業を希望する従業員が介護休業給付金の支給対象者となることの確認及びその証明です。
受給資格確認に必要な書類を持っていき介護休業給付金の支給対象者であることを確認し、支給対象となる日の賃金額を計算します。
必要書類は次の通りです。
1.雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
2.賃金台帳、出勤簿又はタイムカード
もし受給資格のが本当にあるか不安であれば、休業を与える前にハローワークで受給資格確認をしましょう。
これらの手続きを経て、予定通り休業が終了し従業員が復職しました。
復帰後に初めて介護休業給付金の支給申請手続きに入ります。
よく介護休業期間中の給付金を受けられると思っている方がいますがそうではございません。復帰後に支給されます。
この休業給付金の支給申請は休業期間が終了した日から遅くとも2ヶ月以内には申請してください。
手続きをするのは原則、企業側です。
次の書類を持ってハローワークに支給申請を行ってください。
1.介護休業給付金支給申請書(マイナンバーを記入)
2.被保険者が事業主に提出した介護休業申出書
3.住民票や戸籍謄本(対象家族の方の氏名、申請者本人との続柄、性別、生年月日等が確認できる書類)
4.出勤簿、タイムカード等(介護休業の開始日・終了日、介護休業期間中の休業日数の実績が確認できる書類)
5.賃金台帳等(1.の申請書に記載した支給対象期間中に支払われた賃金の額及び賃金の支払い状況、休業日数及び就労日数を確認できる書類)
これらの資料を基に、休業した日が特定され支給額が決定します。
給付金はハローワークに書類が受理されてから大体1週間後には口座に振り込まれることが一般的です。
まとめ
介護休業給付金を受けられる従業員は原則、雇用保険に加入している従業員です。
雇用保険に加入していれば有期雇用契約労働者も対象ですが、介護休業復帰後も就業を継続することが見込まれないと支給対象者にはなりません。
支給額は大体、半年間で受けた給料を日額にした学の67%相当です。
介護休業は最長でも93日、3回に分けて給付を受けることが出来ます。注意点としては働きすぎると給付は受けられません。
(月に10日超)また働くことによって一定額の賃金を支払うと、従業員が受ける賃金額は減ります。後々、トラブルにならないよう授業員には事前に伝えましょう。
いざ介護休業給付金を受ける場合には、休業前と休業後に企業側が管轄のハローワークで手続きをする必要があります。各種必要書類を持って、労働者にも住民票等を収集するように伝えておきましょう。
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